2017年、ロッテルダムでの学生生活が始まりました。
オランダは「家が見つからない」とよく言われます。
その意味を本当に実感したのは、到着してからでした。
理想の部屋を探すというより、
まずは“住める場所を確保する”。
そんなところから、静かに生活は始まりました。
まずは1か月、拠点をつくる
最初の住まいは、3〜4人で暮らすシェアハウス。
利用したのは
HousingAnywhere
長期の部屋はすぐには見つからない。
だからこそ、短期でもいいから足場をつくる。
キッチンもバスルームも共有。
決して広くはないけれど、知らない街で“帰る場所”があることの安心感は大きなものでした。
偶然がくれた、ISS近くの8か月
その後、エラスムス大学周辺で部屋を探しました。
学生住宅を運営している
SSH Student Housing
にも問い合わせを続けていました。
そしてある日、ISS近くの二人シェアの住宅に空きが出ました。
もともと住んでいた二人のうち一人が、住人同士の関係がうまくいかず、急に出て行ってしまったのです。
計画通りではなく、順番待ちでもなく、ただの偶然。
その部屋で過ごした約8か月は、ロッテルダムでの生活に少しずつ根を下ろしていく時間でした。
オランダの学生住宅は、タイミングの世界。
空いた瞬間に動けるかどうかが大きいのだと感じました。
夏、静かなキャンパスのF Buildingで
授業はなく、卒業論文に集中する時期でした。
キャンパスはどこか静かで、学生の姿もいつもより少なかったように思います。
そのタイミングで入ることができたのが、
Erasmus University Rotterdam の短期学生住宅(F Building)。
朝は部屋を出てそのまま図書館へ向かい、
夜はキャンパスの中を歩いて戻る。
生活のほとんどが大学の中で完結する、少し特別な数か月でした。
夏が必ずチャンスになるわけではありません。
でも、タイミングによって短期の空きが出ることもあります。
シェア生活とHousing Allowance(Huurtoeslag)
ロッテルダムでの住まいは、すべてシェアタイプでした。
最後の部屋も個室ではありましたが、
トイレとバスルームは扉の外、共有スペース。
そのため、オランダの家賃補助制度
Housing Allowance(Huurtoeslag) の対象にはなりませんでした。
オランダでは、条件を満たせば家賃の一部が補助されます。
ただし、
・独立した住居であること
・家賃が上限以内であること
・所得条件を満たすこと
などの基準があります。
制度はあるけれど、使えるかどうかは住まいの形次第。
それもまた、現実でした。
2017年でも簡単ではなかった。今はさらに上昇
私が部屋探しをしていた2017年の家賃上昇率は1.6%でした。
(出典:Statistics Netherlands)
それでも、部屋探しは決して簡単ではありませんでした。
そして近年はさらに上昇が続き、
2024年の家賃上昇率は 5.4% に達しています。
数字だけを見ると小さく感じるかもしれませんが、
毎年積み重なると、生活への影響は決して小さくありません。
オランダの住まい探しは、
完璧を目指すというよりも、
「今、暮らせる場所」を見つける作業なのかもしれません。
住まいは、少しずつ形になっていく
短期のシェアから始まり、
偶然空いた部屋に入り、
静かなキャンパスで論文を書く。
どれも計画通りではありませんでした。
それでも、そのときどきの住まいが、
確かに生活を支えてくれていました。
ロッテルダムでの学生生活は、
住まいとともに、少しずつ形になっていった気がします。